比類のない世界観と圧倒的な表現力で認知度を増殖させている香奈が待望の1stアルバムをリリース。「桃」の新録ヴァージョンをはじめ、歌詞とメロディを重視したストレートな音だ。 現在19歳の香奈は、すでに16歳の頃から下北沢や渋谷のライヴ・ハウスで音楽活動をしていたという、早熟なパフォーマー。ラウドなロック調のサウンドでは、ハード・ロック・シンガーのような演劇的なシャウトを聴かせ、静かなトーンの曲では、つぶやくような独特のコブシを回して歌う、かなりエキセントリックなイメージだ。血や死や狂気や破壊や、どぎついイメージを撒き散らしたかと思えば、夢や自己愛や童話や、甘い少女趣味の世界と並列させてしまう詞の世界が好きか嫌いか、評価は極端に分かれるだろう。 (宮本英夫) --- 2001年10月号