新世代のストリート・ミュージックと評される、まばゆいスウィンギー・ポップを奏でる女性シンガー・ソングライターのメジャー2枚目のアルバム。ドラマ『汚れた舌』の主題歌(5)のミックスや、代表曲のライヴ・ヴァージョンも収録された素敵なクリスマス・プレゼントだ。 　　スウィンギー・ポップなる魅惑的なギミックで2005年1月にデビューし、音楽シーンに一石を投じた彼女の今年を締めくくる一枚。これまでの彼女といえば、ジャンゴ・ラインハルトを彷彿とさせる弦楽器を中心とした小編成で活動を行なってきたわけだが、本作は、ライヴなどで多々披露されてきたビックバンド、つまりブラスを含んだ編成でレコーディングされている。新曲を4曲、そして人気を博した過去の作品4曲をビックバンド・アレンジにし、さらにプロモーション・ビデオを含む11曲を収録。キャッチには、“dorlisからのウィンター・ギフト”とあり、まさにパーティ・チューン目白押しのハッピーなアルバムに仕上がっている。シックでエレガントな装いが彼女の魅力だと思われがちだが、ビックバンドをバックに控えても際立つ存在感は本質的な意味でエンタテイナーとしての技量を感じてならず、自信たっぷりジャジィでポップなサウンドは、リスナーの心にグッと艶をもって迫ってくるのである。 (石塚 隆) --- 2005年12月号