『あの頃、マリー・ローランサン』は、1983年9月1日に発売された加藤和彦の8枚目のソロ・アルバム。安井かずみとの共作による、加藤の CBS/SONY移籍後第1弾となるアルバムである。 『あの頃、マリー・ローランサン』 は、東京などの都会に暮らす男女の情景をテーマにしたコンセプト・アルバムである。加藤によれば、サラリーマンになると徐々に音楽離れしていく大人たちにも聴けるような音楽を念頭に置いていたという。 アルバム制作は、エフェクトやダビングなどの加工をあまり施さずにミュージシャン全員が一斉に演奏する方針で進められ、レコーディングはほぼワン・テイクで完了し、ヴォーカルは結局仮歌として録音したテイクが採用された。なお、本作の録音には16トラックのMTRが使用されているが、これは当時主流だった24トラックの機器よりもトラック毎のテープ幅が広いという理由による。